ブックやシートの選択を含めてセル選択をする

Application.Gotoメソッドを使用することで、ブックやシートの選択をセル選択と同時に行います

'「Book1」の「Sheet1」のA2セルを選択する
Application.Goto Workbooks("Book1").Worksheets("Sheet1").Range("A2")

ブックやシートの選択をセルの選択と同時に行うには、Application.Gotoメソッドを使用します
このメソッドを使用すると、セルの選択を指定すると同時にブックやシートの選択も行います

RangeオブジェクトのSelectメソッドでもセル選択を行うことができます
ですが、アクティブではないブックやシートのセルを指定するとエラーが発生します

メソッドの書式

引数(太字は必須引数)
Goto Reference, Scroll

Referenceは、移動先のセルを指定します、ブックやシートも合わせて指定することでその範囲までを同時にアクティブにすることができます
また、ここを省略した場合はこのメソッドを実行した時のセル範囲が指定されますが、これに関しては以下の記事で解説を行っています

Scrollは、移動先のセルの表示に関する設定です
この引数にTrueを指定すると、セル範囲の左上を表示範囲の左上に合わせます
省略した場合は、Falseが指定されるので画面内であれば画面がスクロールしません

コード解説

Application.Goto Workbooks("Book1").Worksheets("Sheet1").Range("A2")

このコードでは、別のブックから指定のシートのセル選択を行います
Book1のSheet1のA2のセルを選択しています

ブック間のセル選択の移動
別のブックのシートのセルへ移動する

画像の動きを確認してください
特にシートのタブの部分に注目してください

シートのタブの見出しが変わっていることが変わると思います
ここから別のブックにアクティブが切り替わっていることが分かります

その後、A2セルが選択状態になっていることが分かります

Application.Goto Worksheets("Sheet1").Range("A2")

この様に、ブックは指定せずにシートから指定すればアクティブブックのシート間の移動が可能です
さらに、シートの指定もせずにRangeのみの指定を行えば、アクティブシートのセル選択を行います

Application.Goto Range("B3"), True

引数2つ目の、ScrollにTrueを設定したコードです
シートの指定も行っていませんので、アクティブシートのセル選択になります

指定セルを左上に合わせて表示する

画像の動きを確認してください
A1セルからB3セルへ選択が移動しています

ウィンドウ上ではセルが移動していないので、パッと見て分かりにくいですが
B3セルが左上に来ています

表の作成などを行って、最終的にその表を表示画面に綺麗に表示させる場合などに使用するといいかもしれません
通常の処理上では、ウィンドウ上での動きが分かりにくいので使用することは無いかもしれません

処理速度UPのためのセル操作

変数への代入を繰り返すことで、複雑なセル範囲の取得を分かり易く、かつ処理速度も向上させる方法

処理高速化に大きな効果があるのが、セル選択を減らす事です

しかし、それを実現するために1行のコードが長くなる場合があります
処理速度の向上に繋がりますが、恐ろしく可読性が低下する可能性があります

処理速度よりも可読性の方が圧倒的に重要です

でも、処理速度だって重要です

そんな時に使う方法として、1行を短くしつつセルは選択しないようにする方法です
考え方は簡単で、変数に順番に代入させていき
最終的に確定したセル範囲を選択するようにします

こうすると、可読性を保ちつつセル選択の回数を減らすことが出来ます

使用例

Dim 取得用Range As Range
Set 取得用Range = Range("A1").CurrentRegion
Set 取得用Range = 取得用Range.Cells(取得用Range.Cells.Count)
Set 取得用Range = Range(Range("A2"), 取得用Range)
Set 取得用Range = Intersect(Range("B1").EntireColumn, 取得用Range)
取得用Range.Select

実際に動きを確認しましょう、今回作成したコードが以上のものです
処理の動きとしては、表の指定列の見出しを含まないデータ範囲です

最終的に選択したい範囲
取得したいセル範囲

画像の選択された範囲を取得するのが、目標です
よくあるパターンの取得例やと思います

Dim 取得用Range As Range

まずは、最初に変数に代入させてセル選択を行うため、それを可能にするためにRange型変数の宣言を行います
これ以降は、Rangeオブジェクトでの指定を行わずにこの変数名で行います

Set 取得用Range = Range("A1").CurrentRegion

最初に表全体の範囲を取得します
ここから順番に部分範囲を取得していきながら、必要な部分のみに除外していきます
表全体の取得にはCurrentRegionプロパティを使用して取得します
セルA1を含む空白セルに囲まれた、表範囲が取得されます

この時点から、変数にセルを代入しています

Set 取得用Range = 取得用Range.Cells(取得用Range.Cells.Count)

次に、取得したセル範囲の中での最後のセルを取得します
これは最終行を取得したいためです

基本的に表という仕様では、見出しからデータの開始までの範囲が変化することはほぼありません
画像でいうところの、1行目が見出しで2行目以降がデータ範囲である
という、大前提の話です

つまり、最終行が取得できれば2行目から指定することでデータ範囲行を特定することができる訳です

この最終行の取得には色々な方法がありますので、これが最善とは言いませんが
表範囲という前提で考えると、Endプロパティでも良いのですが取得したい列が常にデータで埋められている前提である必要があります

しかし、この記事コードで取得すればデータ範囲に空白があってもちゃんと表範囲として取得することが出来ますので、汎用的なコードかなと思います

Set 取得用Range = Range(Range("A2"), 取得用Range)

ここで、始点セルまでを範囲取得しています
この時点で表範囲の見出しを除いたデータ範囲が取得された状態になります

これには2つ方法があり、Resizeプロパティを使用する方法と最後のセルから始点セルまでを範囲取得する方法です

今回は、後者の方法を採用します
動きがこっちのほうがイメージしやすいような気がしたので

もし、Resizeプロパティを使用する場合は、表範囲を取得してからすぐにこのプロパティで見出し行を除外してあげればいいだけですね
これに関しては、ここでは割愛します

Set 取得用Range = Intersect(Range("B1").EntireColumn, 取得用Range)

ここで最後に表範囲内の指定の列を取得します
Intersectメソッドを使用して、指定列との重複範囲を取得しています

引数では、2つありますが1つ目の引数では、指定列を指定しています

Range("B1").EntireColumn

EntireColumnプロパティは、指定したセルを含む列全体を取得するプロパティです、なのでここではB1セルを含む列、つまりB列が取得される形になります

このB列とここまでで取得した配列変数(表範囲のデータ範囲のみ)の重複する範囲、となるのでデータ範囲のB列が取得されます

取得用Range.Select

ここまでで取得が完了したので、変数セルを選択状態にして完了です
選択せずに、この変数セルに値を入力することもできます

また、この範囲をFor Eachループで1セルずつ処理を行うこともできます

Rangeオブジェクトなので、さまざまな用途に使用できますので、いろいろな応用方法を考えてみてください

Intersect(Range("B1").EntireColumn, Range(Range("A2"), Range("A1").CurrentRegion.Cells(Range("A1").CurrentRegion.Cells.Count))).Select

ちなみに、これらを1行で納めると上記のような形になります
恐ろしく長いコードになり、とても可読性の良いコードとは言えません

1行に出来るコードをわざわざ分割するのは、遠回りをしているような気がするかもしれませんが、コードの可読性を上げるためには重要な考え方です

可読性を維持しつつ、処理速度も向上させる考え方です

最後に、このコードの動きを順番にセル選択をした場合と、記事のように変数で選択した場合との処理時間の差です

処理秒数記事方法都度選択
1回目1.01953125 12.55078125
2回目1.0078125 12.23046875
3回目1.01171875 13.19921875
4回目1.015625 13.2109375
5回目1.0234375 12.33203125
6回目1.02734375 12.234375
7回目1.01171875 12.11328125
8回目1.015625 12.421875
9回目1.03515625 12.125
10回目1.03515625 12.12109375

出来レースのように、完全に結果に差が出ることは分かり切った比較なので、特にコードは記載しません
概要としては、セル選択を1000回実行した場合の処理時間を10回計測したものです

いまさらですが、セル選択を少なくするだけでこれだけの処理速度向上につながるということですね

ごくごく当たり前のことですが、変数に代入させるものは変数も使用できる
そんな方法を利用する考え方をしてもらいたい、という話でした

表の列範囲のみの取得

表範囲の指定列のみを選択状態にするコード

'表内のA列のセルだけを選択状態にする
Intersect(Range("A1").CurrentRegion, Range("A1").EntireColumn).Select

表の特定の列をリストとして取得したい場合に使用するコードです

入力用のコンボボックスや、リストボックスなどのリストデータであったり
複数列を参照して特定のデータと一致するものに対応するデータを取り出す、いわゆるVlookup関数のように使用することができます

この場合に便利なのが、CurrentRegionプロパティとIntersectメソッドを組み合わせて取得する方法です

コードの解説

Intersect(Range("A1").CurrentRegion, Range("A1").EntireColumn).Select

1行で指定出来るために1行ステートメントとしていますが、分かりにくければ分割して順番に選択してもいいと思います
ループで大量に使用しなければ処理速度には影響しません

まず、この1行で実行した時の動きの確認です

表の列を選択する
表内の列選択

A列の表範囲が選択されます

この時、表範囲なので最終行も同時に取得出来ています
これで、表全体ではなく特定の列のみを選択状態にする事が出来ます

次に、このコードを分割して解説していきます

Intersect(~~).Select

最初に出てくるのが、この部分です

これはIntersectメソッドです
引数内のセル範囲で重複した範囲を取得するメソッドです
これを使用することで、表範囲とA列の重複する範囲を取得することが出来ます

~(Range("A1").CurrentRegion, ~

次に出てくるのが、CurrentRegionプロパティです

このプロパティは、指定セルを含む表範囲を取得します
この時点で表全体が取得されます

~ Range("A1").EntireColumn)~

ここでは、EntireColumnプロパティを使用しています

このプロパティは、指定セルを含む列全体を取得します
これによりA列全体が取得された状態になります

なので、日本語にすると
A1セルを含む、表全体とA列全体の重複した範囲を選択する
と、いう形になります

なぜか日本語にしても分かりにくいのが不思議ですが、まあそうゆうことなんです

引数の2つ目のEntireColumnプロパティの指定セルアドレスをB1にすれば、B列を取得することが出来ます

1つ目はB1にしても、しなくてもどちらでも構いません

表範囲の最後のセルを取得する

CurrentRegionプロパティを応用することで、表の最後のセルを選択状態にすることができます

'表範囲の最後のセルを選択する
Range("A1").CurrentRegion.Cells(Range("A1").CurrentRegion.Cells.Count).Select
表範囲の最後のセルを選択する
表範囲の最後のセルを選択する

CurrentRegionプロパティを使用することで表範囲の最後のセルを擬似的に取得することが出来ます
このコードは指定範囲内で指定範囲内のセル個数を数えることでインデックス番号の最終セルを選択するコードです
以下の記事で解説しています

最後のセルを選択するにはSpecialCells(xlCellTypeLastCell)メソッドを使用しますが、このメソッドは保存されていない状態で削除を行った場合はズレが生じることがあります

しかし、このメソッドでは表範囲としての最終セルを指定するので、その条件に影響を受けません

特にシートに集計表を作成する際に、1度シートのセルを全削除してから作成するような処理の際にはとても有効です

ただ、画像の動きを確認してもらうと分かりますが、このプロパティは書式設定は考慮しないため、そこがSpecialCells(xlCellTypeLastCell)メソッドとの大きな違いになりますが、表形式の特性上あまりそういった状況は無いと思います

状況に合わせて使用できる場合は使用するような形になります

指定のセルを含む表範囲を取得する

CurrentRegionプロパティは指定セル範囲の含まれる表範囲を取得します

'指定セルを含むセル範囲の取得
Range("A1").CurrentRegion.Select

指定のセルを含む表範囲を取得するには「CurrentRegion」プロパティを使用します
表範囲とは、そのセルを含むデータの入力された連続セル範囲です

要は、表内のセルを指定するとその表全体が取得されます

指定セルを含むセル範囲を取得する
B2セルを含む表範囲を取得する

空白の行と列があるとそこで取得を終了するので、表の全体を指定する際に便利なメソッドです
空白は表全体が空白と接している所が対象となるので、データのどこか1セルでもデータが接していれば、その範囲が広がります
また、取得されるのは範囲なので範囲内に空白があってもそのセルも取得されます

このメソッドは表に罫線を引いたりするような表全体を対象とする場合にとても有効です

このプロパティを応用すれば表範囲の最後のセルだけを選択状態にすることが出来ます
以下の記事で解説しています

セルデータを配列に一括代入する

配列にセルの入力内容を一括で代入させるコード

'セルデータの一括取得
Dim セルデータ As Variant
セルデータ = Range("A1:C3")

Valiant型の変数に、Rangeオブジェクトを代入することでそのセル範囲のデータを2次元配列データとして一括代入させることができます

Rangeオブジェクトを代入すると、Rangeオブジェクト自体が代入されるように感じる人もいるかもしれません
しかし、この代入にはLetステートメントが省略されており、本来省略しない形は以下のようになります

Let セルデータ = Range("A1:C3")

このLetステートメントは値の代入として認識されるため、セル範囲を指定してもRangeオブジェクトが代入されることはありません

逆にRangeオブジェクトを代入する場合には、Setステートメントを使用します

話を戻しますが、このように一括代入を行うと配列データに2次元配列としてセルのデータそのものが代入されます

取得するセル範囲のデータ
取得をおこなうセル範囲

この表のセルデータを一括で代入させます

取得した配列データ
代入された2次元配列のデータ

実際に2次元配列に取得された配列データです

これをそのまま他のセル範囲に一括出力することも出来ます
その場合は、Copyメソッドのほうが分かりやすいのであまり意味はありませんが可能です

ここで取得したデータを別の2次元配列に加工しながら取得させて、最終的にその加工した2次元配列をセル範囲に一括出力します

こうすることで、セル上で加工を行わない分、処理の高速化が図れますし、元のセルデータを改変してしまうこともありません

また、この方法での配列への代入は例え1列や1行の範囲指定であっても必ず2次元配列になります
ワークシートの仕様が2次元だからです、ですが2次元ではなく1次元の配列にしたい、という場合は以下の記事を確認してください

使用時に注意するべきこと

注意点として、この一括代入した場合には配列の開始要素数が1から始まってしまいます

上記の画像の青色になっている行を確認してください
要素数が「1 to 3, 1 to 3」になっています
3行3列なので、1~3までの配列要素数で定義されています

通常、配列は0から始まるため
このセル範囲配列から通常の配列に代入させる場合には注意が必要です

どうしても0から始めたい場合は、新たに要素数を定義した動的配列に代入し直す必要がありますが、それはそれで面倒な処理なので、要素数を合わせるほうが楽です

また、セル自体がValiant型のように様々なデータが入っているので、Valiant型で宣言します
というか、この配列代入自体Valiant型でしか実行できません

型を限定したい場合は、この配列を加工して代入させる配列を特定の型指定を行えば可能ですが、ほぼ利点は無いと思います

シートの最終セルを選択

SpecialCells(xlCellTypeLastCell)メソッドを使用すると、シートの最後のセルを取得できます。注意点があります

'シートの最終セルを選択する
Cells.SpecialCells(xlCellTypeLastCell).Select

シートの使用されている最終セルを取得するには「SpecialCells」メソッドに引数「xlCellTypeLastCell」を指定します

シートの最終セルとは、なんらかの設定の行われた最右下のセルです
入力値だけでなく書式設定などでも対象となります

ただ、使用時の注意点がありますので後述します

コード実行時の動き

シートの使用済み最終セルを選択状態にする
コード実行時の動き
Cells.SpecialCells(xlCellTypeLastCell).Select

コードを実行すると画像の様に書式設定されている最後のセルが選択状態になります

これを使用すれば、データベースの表に入力する際に最終行を調べるのが非常に簡単に行えます

Endメソッドによる移動は空白セルに影響をうける可能性がありますが、こちらは確実に最終行を取得することができますし、1行ステートメントなので処理も速いです

メソッドの注意点(未保存)

しかし、このメソッドは注意点がいくつかあります

まず、大きな注意点としてこのメソッドは最後に保存された状態の最後のセルを取得します

つまり、未保存の状態のセル範囲には対応できません

保存をしていないとうまく取得できない動き
未保存だとうまく取得されない
Cells.SpecialCells(xlCellTypeLastCell).Select
Range("C:D").Delete
Range("A1").Select
Cells.SpecialCells(xlCellTypeLastCell).Select

画像とコードを確認してください

まず、最初にメソッドを実行します
この時点では黄色セルの最終セルが選択状態になっています

その後に、C・D列を削除してA1セルをアクティブ状態に戻します
そして再度実行すると、今度は黄色セルではないセルが選択状態になっています

このセルは削除前に最後のセルとして認識されていたセルになります
削除を実行した後に保存が実行されていないため、最後のセルのデータも更新されていないため同じセルが選択されてしまっています

この動きがあるため、削除を実行するような処理の場合にメソッドを使用するには必ず先に保存を実行しておく必要があります

メソッドの注意点(書式設定)

次に、書式設定を行っただけで最後のセルの判定に含まれると解説しました
実際に黄色セルが選択されていることを確認しましたので間違いありません

しかし、ここでも注意しなければいけない動作をします

例えば、よくデータベースの表で列に入力するデータが固定のため
列をまるごと決まった書式設定を行うことがあります

その際に、列をまるごと選択して実行するか
範囲指定をして、予備範囲までを設定するかで変わります

端を含めるかで対象が変化する動き
書式設定での動きの変化

コードが少し長いので、画像で確認してください

まず、最初にA列全体に対して「,」の表示形式を設定しています
その状態で最後のセルを取得するとB列の最後の行が選択されます

これが想定していた動きになります

次に、A列を削除してB列のデータをA列に移動します
そして、今度はA列全体ではなくA1からA10000までのセルに対して同じ表示形式の設定を行います
この状態で最後のセルを選択すると、B10000が選択されます

未保存であるためB列になる理由は解説しました
そして、A列の書式設定を行った範囲に対して最後のセルが認識されてしまう動きになっています

これは想定通りの動きではありません

つまり、行全体のように端を含むような書式設定はその行の標準設定となるため
使用済みセルと認識されることがなくなる
わけです
列方向に関しても同様です

要は、セル全体に背景色を設定したとしてもセル全体が使用済みセルとして認識されるわけでは無い、ということです

列や行の選択を知らず、とりあえず途方もないセル範囲に予備の書式設定を行ってしまっているようなワークシートにはほんまに要注意です

こういった注意点を踏まえて考えると、データの取得のみを行う表データで最終セルを取得するには適していますが、加工を行う表で使用するには適していないかもしれません

その場合は、UsedRangeプロパティの方がいいかもしれません
それを使用した最終セルの選択方法は以下の記事にあります

選択範囲の最終セルを選択する

選択範囲の中での最終セルだけを選択状態にするコード、シートの最終セルを選択状態にするコードの解説含む

'選択中の最終セルを選択する
Selection.Cells(Selection.Cells.Count).Select

セル選択をした状態で、そのセル範囲の最後のセルのみを選択状態にするコードです

主に表を作成したりして、そのセル範囲の最後のセルを単一で指定したい場合に使用します

使用例

使用済みセル範囲の最終セルを選択状態にする
使用済み範囲の最終セルを選択
'使用済みの最終セルを選択する
ActiveSheet.UsedRange.Select
Selection.Cells(Selection.Cells.Count).Select

実際のコード使用時の動きの確認を行います
今回の作成コードはこんな感じのコードです

目的としては、保存に時間がかかるブックのため頻繁に保存を実行できないブックで、表を整えるたびに最終セルを取得していきたい場合です

SpecialCells(xlCellTypeLastCell)メソッドでも最終セルは取得できますが、上記の条件のように表の改変を行いつつ、保存を実行しない場合はうまく取得できません

ActiveSheet.UsedRange.Select

そこで、UsedRangeプロパティを使用することで保存に影響を受けずに最終セルの取得を行うことが出来ます

しかし、このプロパティでは範囲選択されてしまうため
実際どこが最終セルなのかが分かりません

Selection.Cells(Selection.Cells.Count).Select

そこで、記事コードを連続して使用することで最終セルのみを選択状態にできます

このコード自体は非常にシンプルな内容です

「Selection.Cells」という部分で、選択中のセル範囲のセル全体を表しています
そこに「()」でセルを相対的に指定することが出来ます

行列番号を指定する事以外に、セルのインデックス番号を使用することもできます
今回はこのインデックス番号で処理を行います

そして、インデックス番号は「Selection.Cells.Count」となっています
選択中のセル範囲のセル全体は上記のとおりです、そのセル全体の個数を取得しています
範囲選択のセル個数が100個あれば「100」が取得されます

このセルのインデックス番号は配列とは違い、1から始まるのでそのままの数値で最終セルを指定することが可能になります

Selection.Cells(1).Select

数値での指定を行えますので、このようにすれば選択範囲の1番目のセルを選択状態にできます

まあ、選択範囲が1つであればそこはActiveCellになるので、あえて指定することはあまりありませんが可能ではあります

シートの使用済みセルを範囲選択

UsedRangeプロパティは、シート内で使用済みのセル範囲を取得します

'使用済みのセルを範囲選択する
ActiveSheet.UsedRange.Select

シート内の使用済みセル範囲を選択するには「UsedRange」プロパティを使用します
これは、セル範囲のプロパティですがオブジェクトはシートになっていますので注意してください

コードの動きの解説

シート内の使用済みセル範囲を選択状態にする
使用済み範囲の選択
ActiveSheet.UsedRange.Select

例のコードを実行したときの動きです

コードを実行すると、B3からF8までが範囲選択されます

このプロパティは左上端と右下端の2点セルから範囲を取得します
その際、値が入力されているセルだけではなく、書式が設定されているだけでも対象となります

A列と1・2行目にデータは存在しないため、始点セルがB3になります
F8は黄色に背景色が設定されているだけですが、しっかり取得されています

イメージ的には、SpecialCells(xlCellTypeLastCell)メソッドに似ています
このメソッドはシート内の使用済みの最後のセル(右下端)を指定できるものです
このセルから始点は任意の箇所になりますが、同じように使用範囲を指定することができます

しかし、記事のプロパティでは保存の影響を受けません
保存を実行せずに最終セルを判定するには、こちらを使用することになります

ただ、範囲選択されてしまうので最終セルを保存しない状態で取得する場合は
この範囲の中から最後のセルを取得するような処理を作成する必要があります
その内容については以下の記事で解説を行っています

特定のセルを選択する

RowDifferences・ColumnDifferencesメソッドは、指定範囲の中で条件に指定したセル以外を選択するメソッドです

'アクティブセル以外のセルを選択状態にする(行方向)
Selection.RowDifferences(ActiveCell).Select
'アクティブセル以外のセルを選択状態にする(列方向)
Selection.ColumnDifferences(ActiveCell).Select

「RowDifferences」「ColumnDifferences」メソッドは、指定したセルと同一のセル以外を選択します

このメソッドは、指定範囲内に引数に指定するセルが存在していないとエラーになります

なので、基本的にはこのメソッドの引数にはActiveCellやCellsなどの相対的な指定方法で行う必要があります
また、引数に指定できるセルは単一のセルになるので、複数のセルを指定した場合もエラーになります

メソッドの動き

特定のセルを選択状態にする(列方向)
行方向への指定選択
Selection.RowDifferences(ActiveCell).Select

画像ではこのコードが実行されています
RowDifferencesメソッドは、行方向への操作時に使用します

画像の動きではActiveCellはA2になりますので、条件は「ステータスA」が指定される形になります

このメソッドは、指定したもの以外を選択状態にするので
元々の選択範囲から「ステータスA」を除いたセルが選択状態になります

空白も対象になるので、列全体を指定するワークシートの列全体を選択してしまいます

特定のセルを選択状態にする(行方向)
列方向への指定選択
Selection.ColumnDifferences(ActiveCell).Select

ColumnDifferencesメソッドは、列方向への操作時に使用します

画像の動きでは、ActiveCellはB2になっていますので、空白のセルが指定される形になります

なので、選択範囲の中で空白ではないセルが指定される形になっています

この画像の動きのように、行のなかで特定の列だけにデータが入力されている表でどの列にデータが入力されているかを調べるのに適しているメソッドです

ただ、指定範囲の中に条件のセルを含める必要があるのがすこし難点です
なので、この画像の例の表ではその為にあえて何も入力しない空白列(B列)が作成されています
こうすることで、常に空白を指定することが出来るようにはなります

しかし、この動きであればFindメソッドの方が柔軟に条件も指定出来て便利ではあります
ですが、Findメソッドは一度に条件にあてはまるセルを選択するような動きはできません
あくまでも1セルずつ処理を行っていきます

でもこのメソッドなら、条件さえ整えてあげれば一括で条件に当てはまるセルを一括選択できます
逆説なので、条件を整えるのがたいへんですが・・・

使いどころが難しいメソッドですが、機能としては便利な機能だと思います