Endステートメントの有効利用

Endステートメントは処理を強制終了させます。数少ない有効利用場面の解説

'全ての処理を強制終了
End

処理を強制的に終了させるには「End」ステートメントを使用します

このステートメントの使用上の注意点があります、以下の記事で解説しています

基本的にこのコードは強制終了という側面から、あまり多用すべきコードではありません

終了する場合はしっかりプロシージャの最後まで実行するべきです

ですが、それも状況次第で有効に利用できる場合があります

フォームの起動を強制終了

ユーザーフォームを起動させるには、ShowメソッドとLoadステートメントがあります

どちらも、必ずInitializeイベントを発生させます
なのでフォームの初期化処理はこのイベントに作成します

起動条件を設定したフォームの場合は注意する点があります

例えば、入力補助のフォームであれば
作業するシート以外では、フォームは表示される必要はありませんし、場合によってはバグが発生する可能性があります
そもそも使用しないシートでフォームが表示されるのも邪魔です

そんな場合には、フォームの起動時に条件分岐を行い条件に一致しない場合にはフォームを起動しないようにします

そして、通常は問題にならないこの状況が問題になるのが、初期化処理に時間が多少かかる場合です

条件分岐によりフォームを表示させないのに、待ち時間をユーザーに発生させてしまいます
シートを切り替えるたびに、数秒待たされるような状況になったら非常に迷惑です

解決法として、あるのは2通りです
読み込みコード実行前に条件分岐を行うか、Initializeイベントの処理最上部に条件分岐を行うかのどちらかです

If ActiveSheet.Name = "対象" Then
UserForm1.Show
Else: End If

読み込みコード実行前に行うのが通常の方法です
If分岐で条件に一致しなければ、読み込みコードは実行しないようにします

ただ、このコードでも問題はあります
基本的にこういった処理の場合は、シートイベントのActivateイベントで表示処理、Deactivateイベントでフォームを終了させる動きにします

こうしておかないと、表示は条件分岐で対象シートで行えても、シートを切り替えた時にフォームが表示されたままになるためです

そこで問題の発生です

対象シートが複数あった場合、全てのシートに条件分岐を作成する必要があります
少しの修正があっても大変になってしまいます

そこで、フォームのInitializeイベントで一括して条件分岐を行います

If Not ActiveSheet.Name = "対象1" Or ActiveSheet.Name = "対象2" Then
End
Else: End If

Initializeイベントの最上部にこのコードを挿入します
アクティブシートの名前が指定シートでなければ、Endステートメントにより強制終了します
指定シートであれば処理が継続して、多少時間のかかる初期化処理が実行されます

Initializeイベント中に、Unloadステートメントを実行するとエラーが発生しますので、このEndステートメントが効果を発揮します

当然ですが、呼び出し元処理(ShowメソッドやLoadステートメント)も強制終了しますので読み込み処理には他の処理は入れないようにしましょう

使用場面は限られて少ないですが、あると便利な場面もありました

なお、気づいた方もいるかもしれませんが、終了処理に対応してません
これにはイベント最強のWithEventsキーワードを使用します