PowerAutomateDesktopの処理実行方法の検討について

PowerAutomateDesktop版でフローを作成する前に、しっかり検証しておいてほしいバックグラウンド可能について

PowerAutomateDesktopは、その名前の通りDesktop操作を含めて自動化を行うアプリです
いわゆるRPAですが、このアプリで利用できるアクションでは処理の実行についてバックグラウンド可能なものとアクティブ操作が必要となるものがあります

処理を組む際に、ここを念頭において作成を進めることはとても重要です
前提としてPCが占有されるアクションが存在することは理解しておいてください
これはアップデート等でどうにかなるものではありませんので
フローの流れを考える際に、可能な限りバックグラウンドで可能なもので作成するように意識しましょう
と、いうのもこのアプリはWin11で標準搭載となるなど、個人利用の場面想定が非常に大きいです
個人利用の場面において、RPA用のPCを準備しているという想定がほぼ出来ないためです、VBA実行のためだけのPCを準備したりはほぼ無いと思いますので、それと同じ認識で良いです

そして、バックグラウンド可能を考慮したいのが処理時間の観点です
人が操作するよりは早いとはいえVBAのそれらと比べるまでもなくゆったりしています
そのためPC占有をする処理の場合、それだけ占有時間がかさばります
ただこれは裏を返せば、バックグラウンドで実行できれば他の作業を行いやすいことも意味します

バックグラウンドで可能なアクションは、ファイルやフォルダーの操作やアプリ関係ではインスタンスの作成が選択肢として存在する場合は、完全にバックグラウンド可能です
またインスタンス表示自体は行っていても最小化で実行可能であれば、エラー時のことなどを考慮してその方が良いです
つまりアプリを最小化状態で処理できることが、実務上で目指すべき点です

逆にバックグラウンド実行が不可能なのが、WindowsのUI操作や画像判定です
WindowsのUI操作は最小化していても必ず標準サイズに戻されて全面表示されてしまいますし、クリックアクションであればマウスまで操作されます
また画像判定も同様に画面に表示されていなければ判定を行えません
これらのアクションが不可避の場合は、そのフローはあなたの作業を阻害します
こういったアクションを含むフローを作成する場合は、処理時間や実行タイミングで通常作業との衝突が避けられないなら、いっそ作成しない事も検討してよいです
もちろん、専用PCが準備できるのであれば別です

また、上記のアクションを回避する方法として別のアプリを利用する方法も検討してみてください
例えばUI操作も内容によってはVBAやVBSで実行可能なのであれば、そのExcelやコードをAutomateに実行させることでバックグラウンド化できます

あとはWeb版のAutomateを利用することも検討してみてください
無償版ではWeb版からAutomateDesktopのフロー実行はできませんが
トリガーさえ確保できれば、Desktop版からWeb版を起動することは可能です
簡単なもので言えば、OutlookやGmailなどのメール受信・OneDriveへのファイル作成あたりでしょうか
会社アカウントでなければ、メールやOneDrive利用が良いでしょう

自分から自分へのメール送信を行うフローをDesktop版で作成します
件名や本文に実行したい処理の条件分岐判断文字列を入れて送信します
Web版では受信をトリガーとして処理の実行を行います
こうすることでDesktop版ではメールの送信を行うだけなのでバックグラウンドで処理可能です

Web版のAutomateで出来ることも含めてフローを検討出来ます
2022年2月時点では会社アカウント限定ですが、ExcelWeb版のOfficeScriptも利用可能になるのでOneDrive上でExcelの加工も自由自在になります

フロー作成時は、まずアクションを実行してみてそれがバックグラウンド可能なものかを調べてから作成を進めるようにしましょう
アクションリストにあるので出来ることは確認した、では無く実際に実行してバックグラウンド可能かどうか確認した、という作り方をしましょう
この辺は今までのRPAのイメージとは違いますね

またVBAと比較しても、VBAはPCの占有を前提としている(マルチタスクが得意でない)ので処理速度はかなり重要な要素です
ですが、バックグラウンド処理であればそれほど重要な要素では無くなりますね
さすがAutomate、これからも常識を変えていくでしょうね