ワークシートを再計算する

ワークシート単体を再計算するには Worksheet.Calculate。コード例で基本的な使い方を解説します。

'アクティブシートを再計算
ActiveSheet.Calculate
'特定のシートを再計算
Worksheets("Sheet1").Calculate
'指定のブックの特定のシートを再計算
Workbooks("Book1.xlsx").Worksheets("Sheet1").Calculate

ワークシートの再計算を行うには 「Calculate」 メソッドを使用します。
このコードを実行すると、アクティブシートに含まれる関数がすべて再計算されます
処理途中で計算方法を手動に切り替えている場合など、コード内で関数計算を更新したいときによく利用されます。

ワークシートオブジェクトを指定することで、特定のシートだけを再計算することも可能です。
2つ目の例では、ワークシート名を指定することで対象シートを限定しています。

さらに、3つ目のコードのように ブックを指定することで別のブックのシートを再計算させることもできます。
この方法を応用すれば、特定のブック内の全シートをまとめて再計算することも可能です。
詳細は以下の記事で解説しています。

すべてのブックやセル単位で再計算を行うことも可能です。
詳しくは以下の記事で解説しています。

印刷時のカラーとモノクロを切り替える

特定のシートの印刷時のカラーとモノクロの印刷配色設定を切り替えるコードについて

'モノクロ印刷に設定する
Worksheets("Sheet1").PageSetup.BlackAndWhite = True

「Sheet1」をモノクロ印刷にする

'カラー印刷に設定する
Worksheets("Sheet1").PageSetup.BlackAndWhite = False

「Sheet1」をカラー印刷にする

印刷を行う際にカラーかモノクロかを切り替えるには、SheetオブジェクトのPageSetup.BlackAndWhiteプロパティを利用します

このプロパティにTrueを設定することでモノクロ印刷となり
Falseを設定することでカラー印刷となります

印刷する際に確認用はモノクロで、提出用にカラー印刷を行うような場合の処理作成で活用できます
プリンターのプロパティから設定をいちいち切り替える必要が無くなります
そもそもプリンターのプロパティはVBAでは設定を変更できません

モノクロ印刷時の印刷プレビューの画面の画像
モノクロ印刷時の印刷プレビュー(設定:True)
カラー印刷設定時の印刷プレビューの画像
カラー印刷設定時の印刷プレビュー(設定:False)

上記の画像の通りで、プロパティをそれぞれに設定することで簡単に印刷時の配色設定を変更することが出来ます

この設定はページ設定になるのでプリンターでの印刷だけでなく
PDF出力に対しても有効な点は注意が必要です

シートの内部名を取得する

シートの内部名を取得できるCodeNameプロパティについて

'シートの内部名を取得
Worksheets("Sheet1").CodeName

シートを操作する際に使用する、「Worksheets(“Sheet1”)」というオブジェクトはシート名を名称で直接指定しています

これとは別に、内部名としてシートごとにオブジェクト名が存在します
こちらもシート名同様に同じ名前を付けることが出来ないためユニーク名になります
その内部名を取得するのが「CodeName」プロパティです

この内部名を使用することにより、シート名を変更しても処理に影響が出なくなるため、状況によってはシート名より有効に使用できます

内部名とはプロパティでいうオブジェクト名のことになる
プロパティウィンドウ

今回のプロパティは、赤枠内の(オブジェクト名)という部分の文字列です
通常初期値はシート名と同じようにつけられています

またその下のほうにあるNameプロパティはシートのタブに表示されている文字列になります
通常、シート名を変更するとこちらが変更されます

シート名自体も同じ名前を付けることが出来ないので、オブジェクト名を使ったほうがいい場面の方が多いということはないと思います
状況によって使い分けることが重要です

また、この内部名をオブジェクトとして使用することが可能です

シート名を取得するときの動き
シート名の取得

この画像のコードでは、NameプロパティとCodeNameプロパティの両方を使用して、それぞれの名称文字列を取得しています

やっていることは同じですが、指定の仕方が違っています

オブジェクト名の方が、コードを比較的少なくすることが出来ると思います
またシート名をユーザーに変更されても問題が発生しないのは大きな利点です

ただ、Nameプロパティを使用しない場合、シートをコピー作成して同じシート名にして既存のシートを削除する、というようなことをされると使用できなくなります
また、何らかの理由でCodeNameプロパティに相違が出た際にユーザーが簡単に修正することが出来なくなります

シート名は「~~」にしてください、というようなメッセージでシート名を統一させることは出来ても、内部名を編集してもらうのはVBAを知らない人からすれば困難です

なので、シート名の変更にも対応できて、コードを短くすることもできる、この素晴らしいプロパティは状況によってはユーザーに迷惑になる可能性がありますので注意が必要です

やはり、一番相互にいいのはNameプロパティを使用して、それを最初にオブジェクト変数に代入しておくことかもしれません
そうしておけば、もしシート名が変更になっても1か所の修正で済みます