VBAでは、ドラッグ&ドロップ(以下、D&D)とマウスのホイール操作が使用できません
D&D操作について
外部ファイルをD&D操作で直接VBAに読み込ませるには、2通りの方法がありますが、いずれも不安要素が大きいです
まず、よくあるのがリストビューコントロールを使用する形です
このリストビューコントロールは、ユーザーフォームの追加コントロールです
「その他のコントロール」から追加して使用することが出来ます
そのコントロールには、D&Dを検知するイベントがあり、そこからデータを操作することが出来るようになります
ただ、このコントロールは追加する操作が必要なのが難点です
そして最大の難点が、新しいExcelではコントロール自体が存在していないことです
これから主流になっていくであろう、64bitのExcelにはありません
永遠に使い続けられる処理を作成するのは幻想ではありますが、可能性ではなく実際に無くなっているコントロールを使い続けるのは少し不安です
なので、このコントロールでの解説は当サイトでは行っていません
別のWebサイトであれば、使用コード・イベントが解説されていますので、検索すればすぐに見つかりますので、そちらにお任せします
もう1つの方法が、WinAPIを使用する方法です
これはSleep関数などのように単体のAPIでサクッと使用できる、というような処理にはならないのでハードルが高いです
APIは便利ですし、それでしか実行できないことは任せますが、ハードルの高いAPIはbit違いによるメンテナンスも考慮すると、こちらも不安が残ります
そこで、本質的な話です
そもそもD&Dを使用したい場面について
これは単純に指定ファイルをシートやフォームに挿入したり処理を実行する際に、「ダイアログを開いて選択して挿入ボタンをクリックする」という操作を省くために使用したいのだと思います
確かに、D&D操作になれていると出来ないと不便に感じてしまいます
しかし、その操作の実現には不安要素が多いのが現実です
そして、この操作の最終目的は何かというと、D&D操作によって指定ファイルを操作することです、決してD&D操作が目的ではありません
なので、ユーザーからの依頼でどうしてもそれが無いと嫌だという状況以外においてはダイアログボックスでの運用をおすすめします
ダイアログボックスについては以下の記事から確認してください
マウスホイール操作について
ユーザーフォームのリストコントロールなどで上下移動したい場合などにマウスのホイール操作は使用できません
これはVBAでは、このボタン自体が認識されていないためです
ホイールを回す操作だけでなく、押し込む操作も使用できません
これをVBAで実装するにはWinAPIが必要になります
これも上記とほぼ同様なのですが、非常にハードルが上がります
実際、自分は別のWebサイトにあるコードを見てもあまり理解できません
そもそもホイールの概念自体がVBAに存在していないので、そこにその操作を放り込むというのは考えからも非常に困難なことが容易に想像できます
そこで、また本質の話です
このホイール操作で実現したいのは、ホイール操作ではない、という点です
要は、リストなどをマウス操作で簡単に上下移動したいのが目的です
それならば、頑張ってAPIを使用するよりも仕様内で考えてみます
SpinButtonコントロールのMouseMoveイベントを利用します
このコントロールを移動させたいコントロールの隣に配置し、その矢印上にマウスを移動させると、リストなどの選択を上下に移動させるような処理を作成します
これなら、マウスのクリックやドラッグ操作も必要なく簡単に操作できます
結論として
あらゆる言語のあらゆる知識を動員すれば、出来ないことなどなんにもありません
ただ、それには費用対効果をしっかり考える必要があります
効果に対して、費用が掛かりすぎる場合はデメリットの方が大きいので別の方法を考えるか、仕様としてあきらめるかです
勉強のためなら、どんどん突き詰めていくと良いと思いますが、仕事で使用するものであればメンテナンスのことは考えておきたいです
できないことを頑張るより、できることを頑張るほうが精神的にもいいです
そのほうがVBAも楽しめます
結論は、「仕様なのでできません、せやからこの方法でええやん♪」こう言うことにしましょう